「借金は悪いもの」という考えがなんとなくありませんか。
借金、つまりはお金を卑しいものとした価値観は歴史が生み出したとされています。
その考え方を少し疑えば、資産形成は大きく前進します。
今回は借金と聞くと、嫌悪感を抱くあなたにそれ自体は悪いものではないことをお伝えします。
さらに最後に国の借金である国債についても少し触れます。
お金の話が拒まれる世の中だから、こういうぶっちゃけた話はあまり実生活ではしませんよね。
楽しんで読んでいただければ幸いです。
では、参りましょう。
なぜ借金はイメージが悪いのか?
借金と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか。
ポジティブよりもネガティブな印象を持つ方が多いのではないでしょうか。
借金というよりお金のイメージが悪いですよね。
では、なぜお金には良い印象がないのか。
よく言われているのが、江戸時代の「士農工商」政策です。
人は財力を持つと権力を持ちたがり、長期政権を揺るがすと考えた人物がいました。
その名も徳川家康!
そのため、清貧をモットーにした侍(士)の身分を一番高く、お金を扱う商人(商)を一番身分が低くしたとされています。
そのため商人は身分が低く、お金に卑しいという印象が付きました。
世界では迫害されたユダヤ人の生業が金融業だったという話も有名です。
ナチスが国を牛耳るためにユダヤ人を悪者に仕立てあげました。
「金融業=迫害されているユダヤ人=悪者」というイメージがついたのです。
お金はそもそも価値を保存するためや流通を活性化させるためなど、さまざまな役割を担っているだけです。
なので、お金そのものは悪くありません。
借金にしても、お金を借り入れること自体は悪いことではないのです。
では、どういう借金が悪いのかというと僕は簡単に2つ挙げられると考えます。
悪い借金の2つの理由
- 返済原資がない
- 収支のバランスが崩壊している
1つ目の返済原資とは、借金を返す当てがあるかです。
「事業の売り上げがあってその30%を返済に充てる計画である」
「住宅ローンを借りて自分の給料で返済をする」などです。
2つ目はそのバランスが悪いことです。
収入のほとんどを返済にあてるような借り方では、立ち行かなくなるので、それは悪い借金です。
裏を返せば、良い借金とは返済原資があり、収支バランスが整っている状態です。
では、この良い借金か悪い借金かを見極める術はあるのでしょうか。
簿記を学べば良い借金か悪い借金かが分かる
借金の良し悪しを見極めるの一つの方法が簿記的な見方ができるかです。
僕は簿記を学んで借金に対する考え方が変わり、そこから経済や財政、政治の見方も変わりました。
簿記とはその経済組織が優良かを読み解く技術だと言えます。
ある企業の財務状態が利益に対して流動的な負債が多ければ、どれだけ優良企業だといわれていても実態は違うかもしれません。
家庭においても貸借対照表(資産と負債のバランス表)をつくり、資産以上に負債が多い家計だと健全ではないと判断できます。
そういった点でも簿記を学べば今まで見えていた世界が違って見えます。
では、具体的に家計を簿記的な見方で考えてみます。
マイホームを負債とするか資産とするかは数字を見ればわかる
家計の資産と負債のバランスを一番崩しがちなものが「家」です。
注目すべきは、先ほど挙げた①返済原資があるか、②そのバランスが取れているかの2点。
しっかりとした収入があり、他に借り入れもなく返済に回せるお金が十分あれば問題ありません。
しかし、良い借金だからと言って資産になるかどうかは別問題です。
そこで大切になってくるのが、その「家」にどれくらいの価値があるかです。
客観的に価値を判断するには、他の人がいくらで買うかを知る必要があります。
売却相場価格を常に意識するのです。
バランスシートでは左側に資産を、右側に負債と純資産を記入します。
資産 | 負債 800万 |
1000万 | 純資産 200万 |
左側の資産となる売却額が右側の負債より大きければ、いつ売っても損は出ないですよね。
そのために資産形成をするうえで、大きなマイナスにならないような買い方をする必要があります。
金持ち父さん貧乏父さんの視点で言えばマイホームは負債
売却額を意識するとともに、さらに大切な考え方を著名な投資家が名言しています。
ロバート・キヨサキ氏が資産とするものは以下の通り。
「自分のポケットにお金を運んでくれるもの」です。
たとえば配当金を生み出す株や家賃収入を生み出す不動産など。
つまり家は不動産ですが収入をもたらさないので負債となります。
自分たちが住むだけであれば消耗品となるからです。
しかし賃貸に出した時に返済を上回る賃料が取れる不動産であれば、僕は資産と考えます。
家を買う時に貸すことを考えて賃貸市場を調査し、売主や仲介会社と交渉して購入します。
その結果、売ってよし、持ってよしの優良不動産となります。
こういった視点を持つことでよい借金で資産形成を加速させます。
なぜ加速するのか。
それはお金を借りることは、レバレッジ(てこの原理)を効かせることになるからです。
手元の少ないお金で大きなお金を借りて、大きなリターンを得る。
何事も良い借金でよい資産を築くことを意識してお金を使うように意識したいですね。
国債という借金の正体とは?
少し話が飛躍しますが、キングオブ借金である国の借金〈国債〉は良いか悪いかを考えます。
僕は経済評論家ではないので、一市民の意見ですが、最近は自分の意見を持つようになりました。
以下は僕個人の意見になります。
- 「国債残高が増えて大変だ」
- 「子どもたちの生きる未来に借金が残ってしまう」
このような言葉を耳にすることも多いです。
果たして国債が増えることはそれほどよくないことでしょうか。
そもそも完済しないといけないものなのでしょうか。
僕は違うと考えます。
確かに個人が「消費のために」借りるお金は完済する必要があります。
しかし国が借りるお金は性質が違うと考えます。
良い借金か悪い借金かを考えるのに①返済原資がある、②収支のバランスが取れている、の2点がありました。
1つ目の返済原資に関して言えば、日本は世界GDPランキング3位の経済大国です。
最近は円安となっていますが、為替などは変動があるものなので仕方ありません。
加えて日本は世界一の債権国でもあります。
よって返済原資としては申し分ないはずです。
ただ人口減少・少子高齢化により国力が衰えていることは事実です。
なので、打開策を掲げる政党を支持し効果的な政策をもって解決しなければならないことはマストです。
2つ目の収支バランスについては少し懐疑的です。
というのも、個人の負債と国の負債では状況が違ってきます。
財務省が出しているプライマリーバランスでは、税収が少ないために収支がマイナスとなっているといいます。
そして、それ故に消費税を上げると。
図を見ていただけるとわかるのですが、税収を政策的経費に使い、新たな借金を過去の借金や利子の返済に回しています。
この書き方に違和感を覚えるのは僕だけでしょうか。
本来、借りたお金は前向きに投資し規模の拡大をしていく必要があります。
事業をするときも、借りたお金は事業投資をして収益を生むために使いますよね。
国の借金ならば政策を行い、国の繁栄に使われるべきです。
この表し方では借金を借金で返すことになっています。
そうではなく、税収で一部の借金を返済し、新たな借金で政策をしていく。
逆を言えば、打つべき政策があるから借金をする。
これが本来の形なのです。
資産と借金と純資産の総量が大きければ大きいほど規模が大きくなります。
バランスシート全体を大きくして風船のように膨らませるイメージです。
国で言えば、国力が大きくなるのです。
だから、借金は積極的に返してはいけない。
できるだけ借金をして国の規模を大きくする。
これは本当に悪い考えなのか、みなさんはどう思われますか。
国の借金を国民が負担する違和感
そういった意味でも国債残高を国民で割って、国民一人あたりの借金負担額を表すことに何の意味もないと思うのです。
国の借金は国の負担。
ただ政府が国民の危機意識を煽り、消費税増税の根拠とするがごとく刷り込みしているようにも思えます。
なぜ国民が国の借金を負担する必要があるのか、疑問に感じませんか。
僕はその疑問は正しいと思うのです。
国債発行とは市場に出回るお金の量を増やし、増税は出回るお金の量を減らします。
過去30年間デフレから脱却できない日本が取るべき政策は増税ではなく、国債発行です。
にもかかわらず、増税すれば余計に消費が落ち込みデフレスパイラルは加速します。
「増税→需要が減少→物価が下がる→企業の業績悪化→リストラ・所得減少→さらなる需要が減少」という悪循環のことです。
国の行く末を決めるのは国民です。
個人個人が理解を深め、疑問を持ち、声を上げれば未来はきっとよくなります。
そのためにも、まずは借金について少し考え方を変えてみてください。
借金を絶対悪とし、国債の増額など断固反対という一辺倒な考え方から変えてみましょう。
まとめ
僕は簿記を学んだことで、経済を知り、政治に関心を抱くようになりました。
そして、今まで無関心だった自分を恥じました。
自分が生まれ育った国に関して何も知らない。
世界における日本の立ち位置や国力の推移、経済力や軍事力の程度など。
日本の政治がどんな歴史を積み重ねてきたのかを学ぶことでニュースが分かってきます。
家計についてもバランスシートを意識することで、どんどん資産を増やせています。
今後はうまく借り入れを起こして、不動産への投資も積極的に行っていきます。
そして家計のバランスシートの規模をだんだん大きくしていくのです。
その際、パートナーとの話し合いはとても重要ですよね。
政治でいうところの与党と野党です。
夫(与党)の政策にブレーキをかけるのが、妻(野党)の仕事です。
行き過ぎた政策を否決する重要な役割です。
そう考えると国も地方自治体も、企業や家庭も規模が違うだけの同じ経済組織だと思えてきます。
こういった考えに及ぶのも簿記の勉強をし、経済や政治について学んだからです。
半年前の自分は絶対にこんな考えをしませんでしたので、変わりようにびっくりです。
やっぱり学ぶって楽しいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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